My Little Peugeot
1. 自分の車が欲しい...
2. 106 との出会い
3. でも左ハンドルなんだよね...
4. うちに左ハンドルのトラックが来る
5. 左ハンドルに慣れてきた
6. 買っちゃった!
1999年の初夏のころ。
その年の春の初めに4輪の免許をとった私は、「そろそろ自分の車が欲しいなあ」
と思い始めていた。
その頃乗っていた車は同居人のトヨタハイラックス 4WD。
オートバイを積むためのピックアップトラックで、ただで使わせてもらっていたので
とても 大きな声では文句は言えませんが、
でっかいは長いは小回り効かないはパワーはないはで、私にとっては
かなり扱いづらい車だった。
おまけに当時住んでいた家の駐車場は、車を出すためにはバックでクランクを通り、
その先の鋭角の切り返しをパスしなければならない。
駐車場自体も狭くて、初心者の私にはかなりつらい環境だった。
まあ、私が下手くそなだけなんですけどー。
とまあそういうわけで、やっぱり自分の車を買おう! と真剣に思い始めたのだった。
選択のポイントは3点ほどだった。
1. 小さくて取り回しがいいこと。
2. きびきび走ること。
3. その車が欲しい!という強い気持ちが持てること。
それまではオートバイには乗っていたがあまり車には興味がなかったので、
特に先入観もなく気楽にいろんな車を見て回った。マツダのロードスターは
カメみたいな顔がかなり気に入っていた。基本的にオープンカーは大好きだったし、
もしかしたら間違って買っていたかもしれないくらいだった。
その横展開として(?)、
買う気はまったくなかったがフィアットバルケッタも好きだった。
またトヨタのヴィッツも出たばかりで、ちょっと気になっていた。
スズキのエスクード、イスズのミューも好きだった。
ミューになるとさすがにでかすぎるなとは思っていたけれど。
(しかしミューはオープンカーなんだよね。笑)
そんな中、前から気になっていた blue lion を覗きにいってみた。
そこに 106 がいた。
雨あがりの夜で、小さなプジョーは水滴に濡れていた。一瞬息をのんだ。
うわ。
もうだめだぁ...。
私は小さなプジョーに一目惚れしてしまった。
ディーラーの営業は、106 に目を奪われている私に試乗を勧めてきた。
だけどさ、奴は 左ハンドル なのだ。
必然的に右手でマニュアルシフト操作だ。
免許取りたてでハイラックスのマニュアルシフト操作でさえおたおたやっていた私に、
そんな高度な操作はできっこない! ...と思った。
諦めきれず、右ハンドルはないんですか?としつこく聞いたりした。
「イギリス向けにはあるんですけどね、右ハンドルにしちゃうとエアコンが付かない
んですよ。イギリスならともかく日本の夏にエアコンなしじゃねぇ」。
そりゃそうだ。といいつつ車にエアコンつけてない友人もいくばくかはいるのだが、
やはりいざという時エアコンがないとつらいだろうというのは素直に納得できた。
いざという時とは、例えば真夏の渋滞の中を3時間とか。
いやしかしオートバイでの真夏の渋滞を思えば。
少々葛藤があったが、それ以前に 106 の右ハンドルは日本にほとんど存在しないのだった。
しばらく悩んだが、やっぱりどう考えても 左ハンドルは荷が重い。 縁がないと思うしかないのかなあ。いったんは諦めた。
そういえばその頃は 206 が大ブレーク中だったのですが、 なぜか 206 にはまったく食指が動きませんでした。 206 は顔がどうも好みじゃなかった。
306 は顔が 106 と同じだったのと やっぱり右ハンドル というので S16 グレードに試乗してみたりもしたんですが、 エンジンフィールのやんちゃな感じでやっぱり 106 かなあと。 306 は私にとってハイパワー・高性能すぎる感じで、 ちょっと楽しさがスポイルされている気がしました。
...なんて、おおいっちょまえに言う?って感じですね(笑)。お許しを。
それともう一つ、どうでもいいけど私のプジョーはあまりエアコンが効かないのでした。
これってヨーロッパ車だから?
...ってガス抜けてるだけかもしれないけど。(笑)
↑ 後日談。ガス 思いっきり 抜けてました。すいません。
そうやって夏は終わろうとしていた。そんなある日のこと。
同居人が、「埼玉に車見に行くんだけどついてくる?」と言う。
なんでも以前から憧れていたピックアップトラックの中古車を見にいくのだそうだ。
「タコマ」という名前の、トヨタの逆輸入車。
もちろん左ハンドル。
おもしろそうだったのでついていった。
彼曰く、見に行く時点では買うつもりはほとんどなかったらしい
(これはウソであろう)。
しかし、試乗が終わるといきなりハンコを押していた。
中古だが経費込みで300万くらいだったか?
うーんやるなあ。
まあ雑誌やウェブサイトで4〜5ヶ月ウォッチしていた車らしいけど。
しかし考えてみると、この車を買うってことは私もこの馬鹿長い
(1台目よりさらに 50cm も長い!)トラックに乗らなきゃいけないってこと?
今のトラックでもギリギリなのに、こんなん
絶対ぶつけるよー。通勤に使えないよー。
だって運転席から振り返ると、荷台がほらあんなに遥かかなたまで...(泣)。
と悩んでいたら、1台目のトラックもうちに残ることになった。
同居人も実はそのほうがうれしかったらしい。
しかし、それにしても2人暮らしでトラックが2台。 それも2台とも 4WD のピックアップトラック。 なんだか割り切れないものを感じる...。
(注) あとで本当に通勤でぶつけた。狭い道でのすれ違いでバンパーを壁にこすった。 すいません。
新しく来た左ハンドルのトラックはオートマだった。
車体のでかさは別として、オートマということで多少は左ハンドルの抵抗感も薄れる。
例えば坂道発進とか。うーむレベル低すぎるぞ私ー。
とりあえず広い道や高速道路で運転させてもらい、だんだんと左ハンドルにも慣れてきた。
おもしろいことに、右ハンドルしか乗ってなかった頃は道路幅に対する車体位置の基準が
「進行方向右側のライン」だったのが、左ハンドルを運転するようになると
「道路の中心」に変わった。
車体の中心を意識して、道路の中心に合わせる感じだ。
中心線を基準にして左右に広げた幅として、車幅感覚を意識するようになった。
というわけで、左ハンドルのトラックと右ハンドルのトラックを交互に運転するのも
そう苦にはならなかった。
ただ、2台とも左ハンドルのほうが楽かなあとは感じた。
車体中心線を自分の右に意識するか左に意識するかで、やっぱり多少は感覚の切り替えがある。
そしてそれとは別に、右手によるマニュアルシフト操作も案外すぐ慣れるのかもしれない、
とも思えてきた。
うん、106、乗れるかも!
そう決心するとあとは早かった。
最初に近所のディーラーで、新車の見積もりをしてもらった。
うーんやっぱりこの値段は厳しいなー。中古車をメインで探すことにした。
ただし 106 は出荷数自体が少ないせいか、中古車もあまり値が崩れていない。
割高感がある。でもまあこれはしょうがない。
色はブルーに決めていた。でも 106 には何種類もブルーがある。
年度によってブルーの色が違う。2色のブルーが発売されている年もあるほどだ。
一番欲しかったのは、98年色のチャイナブルーという色だった。
理由は、最初に見た 106 がその色だったから。一目惚れした 106 の色だ。
ほんの少し紫がかった、深みのある奇麗なブルー。
ファーストインプレッションというのはほんとに強烈なのだった。
でも 97年色のコバルトブルーも奇麗だなあと思っていた。
チャイナブルーよりも明るいブルーで、106 の小さな車体に映えそうだった。
実物を見てみたら本当に奇麗で、この2つのブルーのうちのどちらかにしようと決めた。
雨の日に見るコバルトブルーの 106 と、晴れた日に見るとチャイナブルーの 106 が 同じくらい好きでした。今でもチャイナブルーの 106 を見ると ドキッとします。というより 106 を見るといちいちドキドキします...(笑)
とまあそんな感じでとりあえず片っ端から見て歩いた。 雑誌や WEB に載る時点ではすでに売れていることも多かったから、 直接お店に電話をかけたりもした。 そうやって電話をかけたある一軒のディーラーで、 コバルトブルーの 106 が出たことを聞いた。 その日のうちに見に行って、決めた。 契約前に試乗をした時、 信号待ちで止まったトレーラーの銀色のお尻に 106 のフロントエンブレムの 銀色のライオンが写っていて、それがなんだかすごくうれしかったことを覚えている。 本当にあの 106 が私のところに来るんだなあと思って。