The Beatles ANTHOLOGY Vol.2
東芝EMIより 3月18日 日本発売予定
TOCP-8703〜04 税込 3,600円
(発売日は 2月7日→2月26日→3月18日 と変更されています)
4/6付 米Billboard誌 Top Albums 200 初登場1位獲得!
未発表音源シリーズ第 2 弾、いよいよリリース
昨年リリースされ、世界中で大きな反響を巻き起こし、ついでに大きなセールスも
記録したビートルズの未発表音源シリーズ「アンソロジー」の第 2 弾が、
ついに 3 月 18 日にリリースされた。
これは、全世界でテレビ放映されたビートルズの
TVドキュメンタリーシリーズ、
The Beatles Anthology に合わせて、2 枚組 CD を 今年から来年にかけて
3 回に渡り、計 6 枚リリースする計画の第 2 弾。
1995 年 11 月にリリースされた第 1 弾「アンソロジー 1」は各国で大ヒットとなり、
数々の記録も打ち立てた。
- 全世界でも、初回プレス合計800万枚で、これは最高新記録
- アメリカでは、Pearl Jam が保持していた初日販売枚数記録を更新、
発売後1週間の総合売上げでもPaerl Jamの前2作に続く85万5千枚で第3位
(もちろん2枚組としてはトップ)
- 12 月 9 日付 Billboard 誌のアルバムチャートで初登場第1位
- 日本国内向けの初回プレス30万枚は即日全数出荷となり、
レコード会社側では完売となった
- 日本でもオリコン誌で洋楽アルバムでは断トツの1位(総合チャートでは3位)
今回の初回プレスは全世界合計1000万枚で、前代未聞の記録。
日本でも、初回用に40万セット用意された。
今回の CD シリーズについて
この Anthology CD シリーズは、今までに EMI から CD 等の形態で発表されたことが
全く無い音源からのみ構成されている。
音源としては、EMI の保有するスタジオでの没テイクだけではなく、
自宅でのデモレコーディングや、テレビやラジオ出演の際のライブテイクなども
含まれている。
その中でも、最も話題を呼んでいるのが、ビートルズとしての新曲 2 (?) 曲。
メンバーはこの新曲について、当初「あくまでもポール、ジョージ、リンゴとしての
曲で、ビートルズの新曲として発表することはないし、あくまでも
テレビシリーズ用の曲として制作しているので、レコードとして発表する予定もない」
と明言していた。
しかし、故ジョン・レノンの未亡人である小野洋子さんがジョンの自宅での
デモレコーディングテープの提供を申し出たため、
最新の技術でジョンのボーカルを抽出、残りの 3 人が演奏とコーラスをつける形で
曲を完成させた。
曲の出来にはポール、ジョージ、リンゴの 3 人とも非常に満足しており、
最終的にビートルズの新曲としてリリースすることを了承したという。
洋子さんも、先日のニュースステーションでの出演で「すばらしい仕上がりです」
とコメントするなど、気に入っている様子である。
こうして完成された曲としては Free As A Bird、Real Love
の 2 曲が伝えられているが、このほかにも 3 曲目が用意されつつある、
と伝えているところもある。このシリーズは 3 回に分けての発売なので、
3 曲分あることを期待したいところ。
なお、新曲第2弾となる Real Love はシングルとしてもリリースされる。
リリースはアルバムからちょっとおくれて 3/27 とアナウンスされている。
The Beatles / Real Love
- CD: ToshibaEMI TOCP-8716 (1,500yen) 96/Mar/27
- Real Love
- Baby's In Black
(Hollywood Bowl 1965, spoken intro of Aug.29, joined to performance Aug.30)
- Yellow Submarine
(Ringo's spoken intro overdub over sound of marching feet, Jun.1,1966)
- Here There And Everywhere
(with guide vocal by Paul, Jun.,1966)
曲目紹介
注意
- 発売が3月にずれ込んだのは、曲順の変更があったためです。
具体的には、当初 That's Means A Lot と Yesterday の間にあった I'm Down を
Yes It Is と You've Got To Hide Your Love Away の間に移したためです。
DISC ONE
- 1. Real Love (3:54, stereo)
-
ジョン・レノンが生前に残したデモテープに、1995 年に残る 3 人が音を加えて
完成させた新曲第 2 弾。昨年末のテレビ特番「ザ・ビートルズ・アンソロジー」で
披露されたもの。シングルとしても同時発売が予定されている。
(The Beatles / Real Love
CD: ToshibaEMI TOCP-8716 (1,500yen) 96/Mar/27)
プロデュースはビートルズの 3 人と ELO のジェフ・リン。
エンジニアは彼らの現役時代からゆかりのジェフ・エメリック。
- 2. Yes It Is (1:50, stereo)
-
レコーディングは 65 年 2 月 16 日。
ジョンの礼儀正しく(gentle)も、ダレた(lazy)ヴォーカルが聞き物。
途中で終わってしまう take 2 からコーラスも入った take 14 に繋げてある。
- 3. I'm Down (2:52, stereo)
-
65 年 6 月 14 日に行なわれた全7テイクの中から、take 1。
曲の前にポールが(彼の出来得る限りの)アメリカンアクセントで一言かます。
このテイクではまだ ジョン と ジョージ の掛け合いコーラスは登場していない。
曲が終わったあと、ポールはこの曲を称して「プラスティック・ソウルさ
(まがいもののソウル・ミュージックさ) 」とメンバーに説明する。
- 4. You've Got to Hide Your Love Away (2:44, mono)
-
レコーディングは 65 年 2 月 18 日。
出だしで失敗してしまい、ジョン が「ポールが俺のメガネを壊したからさ」と
言い訳したあと、完全な take 5 が続く。まだフルートのソロはこのテイクでは
登場しない。
- 5. If You've Got Trouble (2:48, stereo)
-
アルバム Help! レコーディング時の未発表曲。
リンゴのヴォーカルナンバーとして、65 年 2 月 18 日にレコーディングされ、
2 月 20 日にモノミックスが、2 月 23 日にステレオミックスが作成された。
しかし、この曲は結局リリースされず、リンゴの曲としてアルバムには代わりに
Act Naturally が収録されることになる。
- 6. That Means A Lot (2:26, mono)
-
アルバム Help! レコーディング時の未発表曲。65 年 2 月 20 日にレコーディング
され、その日のうちにモノミックスまで作成された他、ステレオミックスも
2 月 23 日に一度作成されている。
しかしこのテイクに納得いかなかったのか、その後 3 月 30 日になって、
アレンジを変えて再度レコーディングが試みられているが、結局この日の
レコーディングも満足いくものではなかったらしく、この 3 月 30 日版は
ミキシング作業は行なわれなかった。
その後、この曲はブライアン・エプスタイン傘下の P.J. プロビーに譲られた。
- 7. Yesterday (2:33, stereo)
-
驚くべきことに、このバラードの名曲は I'm Down と同じ日、しかも
典型的なシャウト・ソングである I'm Down をぶちかましたあと、
同じヴォーカリスト ポール によって歌われた。
ここに収められたのはポールがアコースティック・ギターだけで歌う take 1。
曲にはいる前、ポール は曲のキーとコード進行について話している。
- 8. It's Only Love (1:57, mono)
-
65 年 6 月 15 日のレコーディングから、ジョン のナンバー It's Only Love の
take 2。ドラムのリズムがリリースされたものと全く異なっている。
- 9. I Feel Fine (2:16, mono)
- 10. Ticket to Ride (2:44, mono)
- 11. Yesterday (2:43, mono)
- 12. Help! (2:54, mono)
-
テレビで放映された「アンソロジー」でも使われた、1965 年 7 月 17 日録画、
同年 8 月 1 日放映のイギリス ABC テレビのライブショー番組、
"Blackpool Night Out" からのライブ音源。
ここで演奏された4曲は、いずれもライブでは初演奏だった。
Yesterday はあらかじめ用意された弦楽カルテットのテープを用いて
ポール がソロで歌ったが、曲の前には ジョージ が「リバプールからやってきた
ポール・マッカートニー、幸運なるデビュー!」とからかい、曲が終わると
出てきた ジョン は「ありがとう、リンゴ、すばらしかったよ!」
- 13. Everybody's Trying To Be My Baby (2:45, mono)
-
初の屋外での大コンサートとして、また当時の観客動員記録 (56,000人) を樹立した
コンサートとして名高いニューヨークのシェア・スタジアムでのライブ。
このライブは 1965 年夏のアメリカツアーの初日公演 ( 8 月 15 日) として
行なわれた。
この曲は、当時制作されたこのコンサートのドキュメンタリーフィルムには
含まれていなかった。
- 14. Norwegian Wood (This Bird Has Flown) (1:59, stereo)
-
65 年 10 月 12 日、まだ Norwegian Wood というタイトルが決まる前、
This Bird Has Flown が仮題として用いられていた take 1。
リンゴ のフィンガー・シンバルやマラカス、タンバリンを使った
軽いパーカッションがいい味を出している。
- 15. I'm Looking Through You (2:53, stereo)
-
65 年 10 月 24 日にレコーディングされた take 1。
アレンジはリリースされたバージョンとは大きく異なり、イントロは手拍子、
演奏もアコースティック・ギターやマラカス、オルガンなどでシンプルに
仕上げている。ビートルズはこのバージョンには満足せず、11月に入ってから
よりヘヴィなアプローチでリメイクすることになる。
- 16. 12 Bar Original (2:54, stereo)
-
アルバム Rubber Soul レコーディング時に残された 12 小節単位のブルース・
インストゥルメンタル・ナンバー。録音は 65 年 11 月 4 日で、プレイは
ほとんど即興演奏に近いラフなもの。アルバムには収録されなかったが、
メンバーのプライヴェートコレクションにするため、11 月 30 日には
ミックスとアセテート盤へのカッティングが行なわれている。
オリジナルは 6 分 36 秒あるが、ここでは 2 分 54 秒に編集されている。
- 17. Tomorrow Never Knows (3:14, stereo)
-
66 年に入ってから初のレコーディングとなった 4 月 6 日に収録されたもの。
まだ正式タイトルは決まっておらず、この時点では "Mark I" という仮題が
付けられていた。
この日は全部で 3 テイクが収録され、アルバム用にあとでオーヴァーダブが
施されるのは take 3 だが、ここに収められたのは黙示録的な take 1。
このテイクを Mark Lewisohn は「相当なヘヴィ・メタル」と称している。
渦巻くようなサウンドの中で、ジョン のヴォーカルが不気味に聞こえてくる。
- 18. Got to Get You Into My Life (2:54, mono)
-
66 年 4 月 7 日のレコーディング。この曲の初レコーディングで、
内容から判断すると take 5 のはずである。
単音のオルガンからスタートするバージョンで、曲の所々に
インストゥルメンタル・ブレイクがあり、そこでは ポール のヴォーカルのあとに
ジョン と ジョージ のコーラスが入る。
- 19. And Your Bird Can Sing (2:13, stereo)
-
66 年 4 月 20 日のレコーディングから、take 2 に施された複数のオーヴァーダブ
の中の最高傑作。
ジョンとポールは歌っている途中に笑い出してしまい、途中の歌詞を
"When your bike is broken / will it bring you down?" などとすり替えて
充分楽しんだあと、口笛を吹きながらこのテイクを終える。
一説には、ジョイントでぶっ飛んでいたのではという噂も‥‥(右チャンネルに
注目←注聴?)
- 20. Taxman (2:32, stereo)
-
66 年 4 月 21 日のレコーディングから take11 。
ここではまだ ジョン と ポール の "Mr. Wilson / Mr. Heath" というファルセット
ヴォーカルがまだ出てこない代わりに、"Anybody got a bit of money?"
(誰かカネ持ってねえか?) という超早口コーラスが入る。
エンディングは自然終止で、まだ間奏部分のギターソロをエンディングに
付け足していないテイク。
- 21. Eleanor Rigby (strings only) (2:06, stereo)
-
66 年 4 月 28 日にレコーディングされたバッキングトラックの
弦楽四重奏のみのテイク。この曲ではカルテット
(ヴァイオリン2本、ヴィオラ1本、チェロ1本) を2グループ同時に演奏させていて、
レコーディングに呼ばれたのは トニー・ギルバート、シドニー・サックス、
ジョン・シャープ、ユルゲン・ヘス (以上ヴァイオリン)、スティーヴン・シングルズ、
ジョン・アンダーウッド (以上ヴィオラ)、デレク・シンプソン、ノーマン・ジョーンズ
(以上チェロ)。
- 22. I'm Only Sleeping (rehearsal) (0:40, mono)
-
収録日は判らないが、take 1 と同じだとすれば 4 月 27 日。
まだリハーサルの段階で、ビートルズっぽくないジャズのような雰囲気を出す
ヴァイブスを使用していて、他にはアコースティック・ギターとドラムス。
- 23. I'm Only Sleeping (Take 1) (2:56, mono)
-
続いて、4 月 27 日に録音された take 1。
リリースされたバージョンよりもテンポが多少早く、演奏も
アコースティック・ギター、タンバリンとボンゴというアコースティックなもの。
- 24. Rock and Roll Music (1:39, mono)
- 25. She's a Woman (2:55, mono)
-
1966 年 6 月 30 日から 7 月 2 日の3日間、計 5 回行なわれたビートルズ唯一の
日本公演の初回 6 月 30 日夜の部から。
初めて外国ロック・ミュージシャンに日本武道館を使わせ、
警察の警備体制は VIP 並み、右翼は街頭で「ビートルズ・ゴー・ホーム」を
ぶちあげる……という日本の文化史にのこるコンサートである。
この時期のビートルズはただの狂乱集会と化した公演活動に嫌気がさしており、
演奏もノリがよくない。結局、彼らはこのあと 8 月に行なわれたアメリカツアーを
最後に、コンサート活動を一切停止してしまう。
DISC TWO
- 1. Strawberry Fieles Forever (demo sequence) (1:42, mono)
- 2. Strawberry Fieles Forever (Take 1) (2:34, stereo)
- 3. Strawberry Fieles Forever (Take 7 & edit piece) (4:12, mono)
-
アコースティックな要素を持つ take 1 からドラムがヘヴィになってくる take 7
への変遷、さらにこのあとのリメイク版の要素も詰め込んだリリースバージョンを
比較すると、ジョン のマスターピースがどのような変遷を経て完成されていったかを
捉えることができる貴重な音源となる3つのテイク。
demo は収録日は不明、take 1 は 66 年 11 月 24 日、 take 7 は 11 月 29 日。
demo はジョンのホームレコーディング。
take 1 は ポール のメロトロン(フルートのような音色をセットして演奏された)、
ジョージ のギター、リンゴ のドラムス、ジョン のリード・ヴォーカルの上に、
スライドギター、ダブル・トラッキング用の ジョン のヴォーカル、
3声のハーモニーが重ねられている。
take 7 は take 1 にオーヴァーダブを加えたもので、ヴォーカルには ADT 処理が
施され、エンディングにはリンゴのヘヴィなドラムがついている。
しかし、この曲はよりヘヴィにリメイクされ、さらにリリースバージョンは
オリジナルとリメイクされたバージョンをつなげたものになる。
- 4. Penny Lane (3:11, stereo)
-
複数のテイクをつなげて complete にしたもの。
間奏部分では、ピッコロトランペットの代わりにオーボエを使用しており、
エンディングにはトランペットが入っている。
ちなみに、トランペットエンディングが採用されたのは take 11 で、
正式にリリースされたのはこれを削った take 14。
take 11 は米 Capitol のプロモシングルでのみ使用された。
- 5. A Day in the Life (5:04, stereo)
-
複数のテイクから構成されたバージョン。
このテイクは ジョン の "sugar plum fairy, sugar plum fairy," というカウントから
スタートする。
ポール の作ったミドル部分に入るまえの Mal Evans (ロード・マネージャ)の
one から twenty-four! までのカウントと、そのあとの目覚まし時計の音も
はっきり聴き取れる。
ミドルの部分は 67 年 1 月 20 日のもので、ポール がヴォーカルをトチッてしまい、
"oh shit!" というのが聞こえる。
- 6. Good Morning , Good Morning (2:39, stereo)
-
67 年 2 月 8 日にレコーディングされたベーシックトラックのうち、
ベストとされた take 8。まだブラスやSEは登場しない。
- 7. Only a Northern Song (2:43, stereo)
-
この曲の初の真のリアル・ステレオ・ミックス。この経過は以下のようになる。
ベーシックトラックは 67 年 2 月 13 日に録音された。
このなかからベストとなった take 3 を翌 14 日にリダクションして take 10〜12
を作成して空きトラックを稼ぎ、同日中に take 12 に対してヴォーカルを
オーヴァーダブした。
しばらく間があって、67年 4 月 20 日に複雑なレコーディングをする。
まず、リダクション前の take 3 のテープを引っ張りだし、すでに録音されていた
トラックをつぶしてベースとトランペット、グロッケンスピールをオーバーダブ
し直した。次に、take 11 のテープにヴォーカルを
オーヴァーダブし直した。
注:Recording Sessions では take 12 のテープではなく、
take 11 のテープにヴォーカルをオーヴァーダブした、とあり、
この解説もそれに倣っているが、これは take 12 と take 11 を取り違えている
可能性がある。
最後に、4 月 21 日に前日にオーヴァーダブした take 3 と take 11 のテープを
同期をとって同時に回し、完成テイクとしてモノミックスを作成した。
68 年秋になって、この曲を映画 Yellow Submarine で使用し、アルバム
Yellow Submarine に収録することが決まると、ステレオミックスが必要になった。
しかし、同期の手間があったためか、68 年 10 月 29 日に作成された
ステレオミックスは、前年に作成したモノミックスを疑似ステレオ処理したもので
ごまかしたのだ。
今回は、take 3 と take 12 のテープを元に、新たにリアル・ステレオ・ミックスを
作成し直して収録している。
なお、
Capitol の WWW Page では、ここに収録されるのは alternative take で、
歌詞と演奏は一部オリジナルと異なる、とある。
- 8. Being For the Benefit of Mr. Kite (Takes 1 & 2) (1:05, stereo)
- 9. Being For the Benefit of Mr. Kite (Take 7) (2:33, stereo)
-
67 年 2 月 17 日のレコーディングから。はじめに、エンジニアの
ジェフ・エマリックが "For the Benefit of Mr. Kite, take 1" と
コントロールルームでアナウンスすると、すかさずジョンが
"_Being_ for the Benefit of Mr. Kite" だと間違いを指摘する。
take 1 と take 2 は失敗して早々と切り上げられるが、曲間に魅力的な会話が
収められている。
take 7 は完全バージョンで、のちにこのテイクにオーヴァーダブされたものが
リリースバージョンとなる。
- 10. Lucy in the Sky with Diamonds (3:05, stereo)
-
これは、新たに作成されたミックス。
ベーシックトラックは 67 年 3 月 1 日のレコーディングで、take 1〜7 まで
録音された。リリースバージョンでは take 7 がリダクションされて take 8 となり、
翌 3 月 2 日に take 8 にヴォーカルがダビングされたが、ここでは take 6 の
ベーシックトラックと take 8 のヴォーカルをミックスしている。
- 11. Within you Without you (Instrumental) (5:27, stereo)
-
バッキングトラックのみのテイク。どの時点までのテイクなのかは不明だが、
リリーステイクでは以下のようになっている。
ベーシックトラックは 3 月 15 日に Asian Music circle のメンバーと ジョージ、
Geoff Emerick によって演奏されたインド楽器。3 月 22 日には、さらに
ディルルーバをオーヴァーダブした。4 月 2 日にはヴァイオリンとチェロが
追加され、最後に ジョージ のシタールとヴォーカルがダビングされ、
完成されている。
- 12. Sgt.Peppers Lonely Hearts Club Band (Reprise) (1:25, mono)
-
4 月 1 日に行なわれたレコーディングから、take 5。
ポールのガイドヴォーカルとともに、バッキングトラックが録音された。
なお、正式なコーラスなどがオーヴァーダブされてリリースされたのは take 9。
- 13. You Know My Name (Look Up the Number) (5:42, stereo)
-
通常のテイクよりも長い、さらにリアル・ステレオ・バージョン。
レコーディングは複数回、かつ長期間に渡ってぽつぽつと行なわれた。
まず、67 年 5 月 17 日に part 1 の部分を録音、同年 6 月 7 日にオーヴァーダブを
施した。翌 8 日には part 2、part 3、part 4、part 5 の部分をレコーディング、
2 年近くの間を置いて、69 年 4 月 30 日にヴォーカルとSEをオーヴァーダブして、
その日のうちにモノミックスまで作成された。この時点で曲は 6:08 の長さがあった
ということになっている。その後、69 年 11 月 26 日にさらに編集が加えられ、
このときにで 4:19 に短縮されたのが正式リリースバージョンである。
今回は、モノミックス前のオリジナルテープからミックス初のステレオバージョンで、
「ジョン がカットした部分を復活させた完全版」とアナウンスされている。
(……しかし、それならなぜ 6:08 ではないのだろうか?)
- 14. I am the Walrus (4:00, stereo)
-
この曲のレコーディングは 67 年 9 月 5〜6 日にベーシックトラックを、
9 月 27 日にコーラスや弦楽器などのオーヴァーダブが行なわれた。
ここに収められたのは、イントロが異なり、バッキングコーラスが入っていない
テイク。恐らく 9 月初旬にレコーディングされたテイクの中の一つだろう。
- 15. The Fool on the Hill (demo) (2:46, mono)
-
67 年 9 月 6 日にアビーロードスタジオで収録された、
ポールがピアノだけで歌うデモテイク。
- 16. Your Mother Should Know (3:01. stereo)
-
67 年 9 月 16 日に収録された、take 27。
ポール は 8 月 22〜23 日にチャペル・レコーディング・スタジオで録音された
初期テイクを気に入らず、この日に take 20〜30 としてリメイクを行なっている。
しかし、この時点では ポール もこの曲に迷っていたらしく、
結局チャペルでのテイクを元に 9 月 29 日にオーヴァーダブを行なうことになり、
この日のリメイク版はリリース版にはなにも貢献しなかった。
- 17. The Fool on the Hill (take 4) (3:43, stereo)
-
デモが録音されてから 3 週間たち、67 年 9 月 25 日から正式なレコーディングが
始まった。これは、同日に作成された take 4。
ほぼ完全なプロダクションで、この日のうちに試聴用アセテートを
カッティングするためモノミックスまで行なわれた。
しかし翌日になると、ピアノ、アコースティックギター、ベース、ドラムスなど
ほとんどの楽器が差し換えられてしまう。
- 18. Hello, Goodbye (3:18, stereo)
-
この曲は 67 年 10 月 2 日にレコーディングが開始され、まだこの時点では
"Hello, Hello" という仮タイトルで呼ばれていた。
ここに収録されたのは、初日に作成された take 16。
リリースされたバージョンとはリードギターのパートが異なる。
リリースバージョンはこのテイクを元に、10 月 19 日、11 月 2 日に
オーヴァーダブが行なわれたもの。
- 19. Lady Madonna (2:21, stereo)
-
この曲は、68 年 2 月 3 日にベーシックトラック、2 月 6 日にオーヴァーダブと
ホーンセクションのレコーディングが行われた。
ここに収録されたのは、まだ編集途中のもので、ソロとエンディングの
ホーンが異なる、とあるので、2 月 6 日に行なわれたホーンセクション
オーヴァーダブのテープと思われる。
当日、ホーンセクションの導入はその場の思い付きで決定されたため、
スコアが用意されておらず、相当な回数オーヴァーダブを繰り返した。
- 20. Accross the Universe (3:28, stereo)
-
この曲は 68 年 2 月 4 日からレコーディングが開始された。
同日中に女性コーラスがオーヴァーダビングされているが、このテイクはまだ
コーラスが入っていない。もちろん、効果音やオーケストラもダビングされていない。
しかし、演奏自体はコンプリートで、ちゃんとプロダクションされたテイクで、
かつ魅力的である。
関連リンク
-
Capitol Records THE BEATLES ANTHOLOGY II
-
アメリカの Capitol Records が、Anthology II のページを open しました。
Java や Shockwave、QuickTime VR などの最新技術も駆使した楽しめるページに
なっています。
-
LIFE magazine : BEATLES SPECIAL
-
アメリカの LIFE 誌のビートルズページです。
アンソロジーでの盛り上がりを受けて、過去の LIFE 誌からの写真や、
ビートルズがカバーフォトを飾ったときの表紙、
最新号 LIFE SPECIAL : Beatles Reunion からの記事など、盛り沢山です。
-
Holland EMI's THE BEATLES ANTHOLOGY 2
-
オランダ EMI の ANTHOLOGY CD Vol.2 の紹介です。Real Love の音声ファイルが
あります。
Back to Hiro Satou's Beatles WWW Page
y_satou@yk.rim.or.jp
Update - April 10 1996