From: seo@media.rc.m-kasei.co.jp (Y. Seo)
Newsgroups: fj.news.policy,fj.soc.copyright,fj.archives.documents
Subject: Copyright Guide around fj
Followup-To: fj.news.policy,fj.soc.copyright
Date: 25 Mar 1996 21:20:12 JST
Organization: Mitsubishi Kasei Research Center, Yokohama, Japan
Lines: 219
Message-ID: 

Archive-name: fj/copyright-guide/part1

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本文書は fj.news.policy, fj.soc.copyright, fj.jokes.d 等で行なわれてき
た fj における著作権の取り扱いに関する議論を踏まえ、私なりにまとめた手
引です。今後も適宜改訂を続けていきますので、疑問点、問題点は、どんどん
指摘して下さい。(fj.news.policy と fj.soc.copyright とのクロスポストで
お願いします。)

今回のポストは、前回の引用に関しする記述の追加に加えて、私的複製物の取
り扱いに関する注意点を追加しています。この部分に関する御意見もお願いし
ます。

fj に投稿された記事は www で読むこともできます。URL の一例を以下に示し
ます。fj の記事を www で選択利用する際は、これらへのポインタも記載して
おくと良いでしょう。

    gopher://reitaku.cs.reitaku-u.ac.jp/ : 麗沢大学
    gopher://gopher.hike.te.chiba-u.ac.jp/ : 千葉大学附属図書館
    gopher://news.nips.ac.jp:8021/ : 生理学研究所 

本文書は、内容を改変しない限り、自由に利用して頂いて構いません。本文書
の幅広い活用を通して、参加者 (特に初心者) のネットライフが、より豊かで
快適なものとなることを願っています。

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                fj における著作権の取り扱いについて
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1. はじめに

fj とは、"fj." で始まるニュースグループ名の付けられた記事を配布・交換
することによって成り立っている、公開されたコミュニケーションの場です。

fj は誰でも読むことができ、誰でも記事を投稿することができ、誰でもこれ
を配布することができます。

ところで、fj が公開された場であること、バケツリレー的な記事の転送メカ
ニズムで成り立っていることから、fj に記事を投稿し、あるいは配布する際
には著作権に関していくつかの注意を払う必要があります。

本文書は、これら fj への記事の投稿、配布に際して必要な著作権上の注意事
項を、編者の判断により、まとめたものです。

注意して頂きたいことは、「一般的に認められていること以外行なってはなら
ない」わけではないということです。自分の行為の正当性を主張できる十分な
理由があり、それを他人にもきちんと説明できるのであれば、このような文書
に拘る必要はありません。

2. fj に投稿する際の注意事項

(1) fj に記事を投稿するということは、投稿者の責任でこれを公表するとい
う意味です。公表することが許されない記事を fj に投稿してはいけません。
以下のような記事を投稿することは著作権の侵害となります。

    ・他人が著作権を有する作品を、著作権者の許可なく投稿すること。
    ・他人の著作物を改変した作品を、著作者の許可なく投稿すること。

家庭内での使用を前提とした私的複製物 (放送番組を録画したビデオテープな
ど) の貸借や譲渡のために fj を利用してはいけません。家庭内等を越える範
囲で私的複製物を利用する際は、著作権者の許諾が必要です。

何が許されて、何が許されないかわからない時は著作権法を参照するようにし
ましょう。著作者の許諾を得るのも確実な方法です。

(2) 他人の著作物の引用は、次の条件が満足される場合、原著作者に無断で行
うことができます。

公表された著作物 : 引用することができるのは、fj に投稿された記事や、出
    版、放送された作品など、公に発表されたものに限られます。他人が書い
    たメイルや未発表の論文を著者に無断で引用してはいけません。メイルリ
    ストに投稿された記事の扱いはそれぞれのメイルリスト内の基準に従いま
    すが、メイルと同様に扱う場合が多いようです。BBS 上の記事も、それぞ
    れの規約に従って扱って下さい。

公正な慣行に合致 : 引用を行なう場合は、引用部分とその他の部分の区別を
    明確に行なわなくてはいけません。また、引用は本文の主張を補強するな
    どの補助的な役割、即ち、本文と主従の関係になければいけません。

正当な範囲内 : 引用はその目的上正当な範囲内にとどめ、不必要な部分をダ
    ラダラと引用してはいけません。適切な範囲で文章を切り出すことは、同
    一性保持権の侵害にはなりません。

出所の明示 : 引用に当たっては、その出典を (作者名が明らかな場合はそれ
    を含めて) 明示する必要があります。fj で一般的に行なわれている方法
    は、元記事の From 行に書かれたメイルアドレスと、元記事の Message-
    ID を明示するものです。ネットニュースの慣行は元記事のシグネチャの
    明示までは要求していません。シグネチャを明示する場合は、シグネチャ
    部分を全て引用せずに名前部分のみを切り出すなど、正当な引用の範囲を
    逸脱しないように注意して下さい。

なお、引用であっても、他人の著作物を名誉・声望を害する方法で利用しては
いけません。批判のための引用は自由ですが、真面目な投稿物を下ネタ joke 
の材料として引用するような場合には熟慮が必要です。

(3) fj に記事を投稿するということは、fj のバケツリレー的な記事の転送メ
カニズムにその記事を委ねるということを意味します。そして、 fj の記事の
転送メカニズムには、投稿された記事の送信、複製、公開が含まれています。
従って、fj に記事を投稿するという行為には、fj の配布・公開を行なう者に
対してこれらの送信、複製、公開を許諾するという意志表示が含まれているも
のと解釈されます。更に、 fj の配布範囲においては、一定の条件下に個別の
記事を抽出して利用することも慣習として認められています。このような行為
を認めたくない場合は、配布範囲をローカルに限定するようにしましょう。具
体的な方法については、各サイトの管理者に聞いて下さい。

(4) fj に投稿された記事の著作権は、前項に述べた制限を受けるものの、依
然として著作者 (普通は投稿者) が持ち続けます。記事の自由な利用を認める
場合は、記事中にその旨を記載してください。

(5) 記事の著作権は投稿者が持ち続けますが、fj は海外にも配布されており、
必ずしも日本の著作権法で保護されるとは限らないことに留意して下さい。

3. fj を配布する際の注意事項

(1) fj の記事の配布にともなう記事の送信、複製、公開は、これらの記事の
著作者によって暗黙の許諾を与えられているものと解釈されます。しかしなが
ら、これらの許諾はあくまで記事の配布に伴う送信、複製、公開に限定されて
いることに注意して下さい。

(2) fj の記事を配布するという意味は、一連の記事を継続的に配布するとい
う意味です。特定の記事のみを選択して利用する行為は fj の記事の配布では
なく、それぞれの記事の著作者の個別の許諾が必要です。

(3) 前項でいう一連の記事とは、ニュースグループによって識別されます。fj
の配布にあたっては、特定のニュースグループのみを選択して配布することも
認められています。

(4) fj はバケツリレー的な記事の転送メカニズムで成り立っています。fj の
配布を行なうものは、配布された記事を更に他に配布する自由を保証しなけれ
ばなりません。

(5) 記事の配布に際して、記事の内容を改変してはいけません。但し、コード
の変換や Path ヘッダへの追加など、転送に際して必要、妥当な範囲で機械的
処理を施すことは認められています。

(6) 記事の配布は、配布を行なう者の自由と責任の下に行なわれます。配布
手段は任意であり、配布に際して料金を徴収することも認められています。

(7) 配布、公開することが不適切であると判断される記事については、配布者
の自主的判断によりこれを削除することができます。但し過度にこれを行なう
こと (= 検閲行為) は良いことでないと、多くの人が考えています。なお、一
定期間で記事を削除すること (expire) は、一般的に認められ、かつ行なわれ
ています。

(8) 記事の削除はまた、投稿者の権利でもあります。投稿者が cancel を要求
した記事については、可能な範囲でこれを削除して下さい。

4. fj を公開する際の注意事項

(1) fj の記事の配布を受けたものは、任意の読者に対してこれを公開するこ
とができます。

(2) 前項でいう公開とは、読者の記事へのアクセスを許し、これを実行するた
めの手段を提供するという意味で、一般的には、記事を読者の求めに応じて送
信される状態に置くという方法がとられます。なお、複製物を配る行為は公開
ではなく配布に該当しますので、前の節を参照して下さい。

(3) fj の配布に際しての制約のいくつかは、公開にも適用されます。

・特定の記事を選択することなく、一連の記事を継続的に公開すること
・記事の内容を改変しないこと
・投稿者が cancel を要求した記事は、可能な範囲でこれを削除すること

などは、配布と同様、公開に際しても要請されます。

(4) fj の配布において認められていることは、公開においても認められます。

・公開手段の選択、読者のアクセスに対する料金徴収の有無
・公開することが不適切であると判断される記事の削除
・一定期間が経過した記事の削除

などは、配布と同様、公開者の自主的判断に委ねられます。

(5) 公開に際して、検索や相互参照などの付加的な機能を付け加えることがで
きます。この付加的機能部分は元記事とは独立した作品であり、その利用や公
開は付加機能の作成者が自由に行なうことができます。

5. fj を読む際の注意事項

(1) fj の記事を読むことが自由であることは当然ですが、更に特定の記事を
自分の個人的ファイルにコピーすることも認められています。

(2) 個々の記事の利用、即ち、これを複製して他人に配ること、あるいはこれ
を加工して新たな作品を作り出すなどの行為に際しては、個々の記事の著作者
の了解が必要です。もちろん、これを認める旨の記載が記事中にある時は、そ
の記載に従って利用できます。また、私的な複製や引用など、著作権法で認め
られた範囲で利用することもできます。

6. fj の記事を選択利用する際の注意事項

(1) ネットワーク上など、全ての読者が一連の記事に対するアクセス手段を持
つと考えられる場所では、個別の記事を抽出して提供することが、一般に認め
られた行為であると考えられています。提供方法は、 WWW や ftp 等の不特定
多数を対象にするものでも、メイル等による特定個人を対象にしたものでも構
いません。なお、 expire などにより現在では当該記事を読めない読者も、過
去においてアクセス手段を有したと推定される場合は、これを提供先に含めて
差し支えありません。

    利用の一例 : 特定分野の記事を蓄積して提供するアーカイブサービス

(2) このような個別記事の利用に際しては、以下が要請されます。

・元記事を参照するためのポインタが示されていること。
・読者に誤解を与えないなど、利用方法が公正であること。
・その行為が文化の振興や技術の発展など、fj のコミュニティ全体の利益に
  かなうものであること。

なお、これらに該当するか否かの判断は、利用者が自ら行ない、異論が出た際
にはそれが正当であることの理由を述べて理解を得る、あるいは異論を受け入
れて利用を中止するなどの処置をきちんととって下さい。

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                                瀬尾@磁気メディア研究所.総研.三菱化学
                                     seo@media.rc.m-kagaku.co.jp

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